組合員の皆様方におかれましては、かねてより組合運営につきましては、ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。

  令和５年度は、コロナ感染症も落ち着きを見せ緩やかに景気が回復するものの、円安やエネルギー価格の高騰、人材不足など不安定な状況が増した一年でありました。

  また、木材関係では物価高の煽りを受け住宅着工が伸び悩み国内の木材需要は冷え込みました。原木は、ウッドショックが終わり、ウッドショック前の価格水準に戻りつつありましたが、年度末に至りましては海外輸出等が好調で、例年より若干の価格の上昇も見られたところでもありました。

  しかしながら国際的経済の変動により、影響を受ける関係で需要の不透明さも増している状況です。

  一方で、森林所有者の経営意欲の減退や林業担い手不足等により、再造林や適切な管理が行なわれない森林の増加が懸念されております。

  このような中、県当局により来年４月より「かごしま林業大学校」が開校する事が決まりました。当組合においては、特に担い手対策として雇用改善に取り組んで参りました。結果として離職率が下がり、どうにか従前の労力を維持している状況にあります。我が国も超高齢化社会を向かえると予測されていることから、今後も更に地域の担い手として、雇用の安定・担い手確保・育成に努めてまいります。

  さらに、先人たちの植えた人工林が利用期を迎えている中、私たち森林組合は森林所有者の協同組織であることを再認識し、「伐る・植える・育てる」と森林の適正な管理を行って参ります。森林は地球温暖化防止・災害防止・国土保全・水資源涵養・木材生産等の多面的機能を有しており、広く国民一人一人に恩恵を与えているところでございます。これを行わなければ、山地災害のみならず下流部における、洪水、浸水災害も増加する危険性があります。この問題に関しましては、今後も行政、関係団体と連携を図りながら地域の森林資源をきちんと守り抜いてまいりたいと思います。

  また、森林現場には森林所有者の特定困難や境界不明、後継者不足と林業山村の疲弊により長年に積み重ねられてきた根本的な課題があり、こうした課題を克服する必要があります。その為には、増設されました「森林環境税」を活かした取り組みに、今後も県各市とも連携を取りつつ進めて行く必要があると思っているところでありますので、今後とも組合員の皆様をはじめ、県、市、関係機関の御指導ご協力をよろしくお願いいたします。